ろく

失踪 僕が彼女を閉じ込めた理由のろくのレビュー・感想・評価

3.5
「好き」さえあればいつか必ずかなう。大事なのは「好き」を相手に伝えること。それさえしっかりとできればうまくいく。勇気をだせ。大丈夫だ。きっと成功する。

それウソだからな。

って突きつけられる作品。初期城定だけど、城定得意のハートフルとは対極の作品になっている。全く未来ないじゃないか。

特に終盤になってからの「上手くいく(と勝手に思う)」→「(全く)上手くいかない」→絶望のフルコンボに鬱が止まらなくなる。ああ、こんなのも城定撮っていたんだと改めて再確認。

女優の演技がポンコツなんでそこはマイナスだけど(主演の女優が全くかわいくないんでそこもマイナス)それでも僕らの「幸せ」を十分に壊してくれる作品だ。

ちなみにうまくいくためには「必死になって現状をよくする」のは不可能だ。それで主人公はドツボに落ちる。じゃあどうする。城定は答えを出している。それはね。

「逃げればいんだよ」

そうだ、その方法でしかうまくいかない。関西弁の彼女は簡単に「逃げて」しまった。アヒルは逃げて自由を得る。そうだ、逃げろ。逃げろ
。逃げろ。

逃げた先に何があるか。それは関係ないんだ。
ろく

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