72歳の男性が20歳の女性との〝プラトニックな数日間〟をのうのうと語り終えた直後、
別のシークエンスが「嘘つけ!」との言葉から始まる。
72歳男性が嘘かどうかは謎だけど、マルッと信じていいことでもないんじゃない?と。
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職業訓練校の職員。
政党色出しながら学校に見学に来た政治家をちょっと批判したら2週間後に解雇され、監視され、ついには誘拐された経験がある。
おそらく10年ほど前にアフガニスタンからの難民としてフランスにやってきた男性。
カブールのコミュニストと疑われ拉致され射殺寸前のとこで助かり、今は家族たちとヴァカンスを過ごしている。
宝島の若い職員。
スタッフの目を盗んで悪さし放題。
「やりたいことがあって大笑いできるならそれが違反でもやるべき。
そしてこう叫ぶ。俺は生きてる!と。」
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ドキュメンタリーの撮影場所はIle de Loisirs de Cergy-Pontoise。
https://cergy-pontoise.iledeloisirs.fr
入園料1人5ユーロっつってたからそんなに高くないよね。
にしても閉園ギリギリにナンパ目的で入園料値切ろうとする若者3人はセコくないか。
ドキュメンタリー『リンダとイリナ』ではそれこそリンダとイリナを中心に物語が進んでいったけど
『宝島』では合法違法に関わらず入園してきた人物を、20人くらいですかね、30人くらい?の姿を追ってコラージュしていきます。
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映画批評家?のRoger Ebert氏曰く
〝監督は「宝島」でぼんやりとした半ユートピアの風景を描き出した。
それは多文化主義が多くの結果なしに存在し、
人生の厄介な現実が太陽の下で楽しみのために排除される場所である。〟
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同監督の劇映画『みんなのヴァカンス』で黒人の2人の主演俳優から「自分たちが黒人だからと言って人種差別要素を入れるのはいやだ」的なことを言われても
「実際にあるものを描かないわけにいかない」的な理由で『みんなのヴァカンス』には気づかない人は気づかないけどあ〜これは人種差別があるが故だよね…的なシーンが多く作られている。
てことで、ドキュメンタリー『宝島』でも突如結構衝撃的な社会問題が語られる。
それらが語られるのは太陽が沈んだ(沈みゆく)時間。
真夜中にゲートを監視する男性の車の中と夕暮れのバーベキューのシーン。
〝人生の厄介な現実が太陽の下で楽しみのために排除される場所である〟〝宝島〟では、語られることが許されなかった事が
太陽が沈んでからようやく語られる。
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これほんとにドキュメンタリーなのかね。。
カメラの前であんなにも自由に動ける?
「監視員に見られてないから大丈夫!」っつってるけど映画館で上映されてるよ。。
そんなにカメラが近くない人物たちの声がすごく鮮明に聞こえるんですけど。
海?プール?に入ってる人の会話も。
ピンマイクとかつけずにあんなに明瞭に録音できる?
でかいガンマイク使ってたらあんなに自然な表情や会話をしてくれないだろうし。。
『リンダとイリナ』よりも謎。。