こぅ

アリバイのこぅのレビュー・感想・評価

アリバイ(1937年製作の映画)
3.7
ピエール・シュナール監督による、【フィルム・ノワール】。

キャバレー[フェミナ]で、イカサマテレパシー演目をこなすヴィンクラー博士(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)。
同じくそこで働くエレーヌを買収し、ある殺人の[アリバイ工作]を強要する…。

最低限のキャラ設定、極力無駄が無い締まった脚本で、テンポは上々。

短尺テンポで無駄が無いというのは、多少強引さも伴うのは宿命。

序盤早々、殺人はサクッと雑に済ませ、その後の対決に時間を割いている。

犯人探しのサスペンスでは無い。
既に分かっている真実(証言)をどう炙り出すか。

メインの【偽造アリバイ女 対 警視】の駆け引きを楽しむサスペンス。

エレーヌを尋問するカラス警視(ルイ・ジューヴェ)が、別れ際に放った駆け引きの一言で一転、動揺するエレーヌ、確信する警視の緊迫演出(カメラ切り返し)が巧い。

飄々と落ち着いた紳士的な犯人 対 強面非情で図々しく執拗な警視という1つのタイプが見える(コロンボや古畑タイプとは真逆)。

この好キャスティングと功演が見処。

中盤からは本格的にアンドレ(アルベール・プレジャン)も絡み、、警視は最後に正しく【一芝居】打つ。
愛か⁈金か⁈

クライマックスの駅で、追い詰めたれたエレーヌで終結すると確信したのだが、、
(ここでの テンション で一気に決着した方がスッキリ盛り上がった筈)。

一悶着経て、、


ラストの【小オチ】で微笑ましく締める。

総体的に 小綺麗 に纏まってはいるが、今一つインパクトに欠ける印象だ。
こぅ

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