台所での朝の光と、河原での夜明けの光、静かな月の光が、印象に残る。
二人が向かい合わせに作業するシーンとか、並んでたい焼き食べるシーンとか、ふんわり暖かくて静かで、観てるこちらも自然と顔がほころぶ。
主人公ふたりの背景は、ストーリーの中でほとんど説明されないので、観る人に委ねられる部分が多い。
特に、行助くんの背景提示は、ほぼ皆無。劇中でも自分の事は語らない。それにも意味があるんだよねきっと。不完全で自信のない自分。
小さな絵画 鳥籠 コーヒーカップ、灯油ストーブ。古民家のような主人公の家中にある小物類が雰囲気を持ってて◎
劇中音楽も相まって、インスタレーションを観てるような気分にもなったから不思議。詩的な作品でした。
太賀あらため仲野太賀、やはり好きだ。
言葉や表情の演技はもちろんのこと、息づかいとか佇まいとか、グッとくる。不覚にも、共に泣いてしまったよ。
たい焼き、久しぶりに食べたいな。
ひとりじゃなくて、ふたりで。
ちょっとあんこがはみ出た、焦げかけのやつを。