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糸のaのレビュー・感想・評価

(2020年製作の映画)
3.2
なかなか評価の難しい映画。
菅田将暉はやっぱりすごい、菅田将暉ファンなら絶対嬉しい映画です。
いろんな感情の変化が見れる、とても一生懸命に生きているのを感じられて、愛しくなる。

ただやっぱり、菅田将暉小松菜奈を楽しみに見に行ってるから、前半の間延び感が否めない。
子役2人共主演の2人によく似てるし、純粋な感じは悪くないんだけど、多分もうちょいどうにか出来るんちゃうかなって思っちゃう。
ただ、タイトルロールの入り方は近年邦画の中ではかなり優秀だなと思った。
ただ、そこまでが長かったなー。

あと邦画あるあるなんだけど、いちいち何年って出さんといて欲しい。
唯一ちゃんと小物使われてたの、カレンダーくらいだったかなぁ。
映像で表現できないものかと思ってしまう。
子役の子出てきた時点で過去ってわかるから、表記しなくてもいいと思うし、むしろ表記しなくても成立させたい。
これがクリアできてる作品は、なんか見ていてスッキリするし、好感。

前半20分、あんまり面白くない。
そっからのがぐっと入り込める、珍しい映画。
菅田さんは無駄がなく、丁寧で、繊細で、のくせに大胆。
やっぱり見ていて惹きつけられるし、表情をずっと見ていたいと思う。
漣って名前、意外すぎるのにハマってる。
小松菜奈ちゃんは美瑛での最初の再会と、カツ丼のシーンがとてもとても素晴らしくて、素敵だった。
カツ丼のシーンはめちゃくちゃ共感するな、大丈夫って自分を励ましながらご飯食べたこと、人間人生で1回ぐらいはあるだろうなって。

菅田さんはパパには見えんだな。
多分奈々ちゃんがめちゃくちゃママだからなんだと思うんだけど。
「テセウスの船」然り、母親役がとても似合う榮倉さん。
2人で並んでると、やっぱり奈々ちゃんがリアルママだよなってなる。
菅田さんはまだ少年感。
少年感ありつつ、時々度胸があって、大胆であり、繊細ってのが菅田将暉のお芝居の魅力だと思うんだけどな。

この職業を目指し始めて、色んな作品を見るけど、やっぱり改めてすごいなぁと思うのは、菅田将暉と綾野剛。
カリギュラを観に行った時も思ったけど、自分の今やっていることが、これから先彼らと一緒にやっていくことと、繋がっているのだろうかと深く考える。

最近色んなことが現実に見えてくるから。
生きていくことを取るのか、自分の好きなことをやり続けることを取るのか。
負けたくない。と思ってる時点で怪しいか。
でもまだまだ終われんなと思う。

映画ラストは、えこれで終わんのって感じだったけど、うんまあそんなもんだよね。
平成という時代を振り返ると、想像以上にいろんなことがあって、日本人はその度に傷ついて、でもまた日は昇ると信じて健気に真っ直ぐに生きていくことは難しくとも、なんとか立ち上がり続けているんだなと思う。

人間って素晴らしいじゃない?
これから未来に起こることすべてが、素晴らしく、それぞれと繋がって、支え合って生きていけますように。
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