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おろかもののtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

おろかもの(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

2019年作品, 劇場公開 : 2020年11月
Rating.: 12+

--

シンプルに今まで観た映画のなかで、
一番好き。

何だろう?!女性恐怖のPTSD抱えてる、
このダメ男の私が感じた新感覚。

「誰にも傷付いて欲しくないの!」と
JKに泣きながら、本音を言われ、

不条理ながらも兄の挙式を
浮気相手の女性と結託し「結婚式、止めない?」計画を目論見、進めてゆく中で、

それぞれの女性たちが、それぞれの立ち位置や、
在るべき場所や姿に、
戻るんじゃなくて、前進してゆく。

上手く表現力足りなく、お恥ずかしいけど、
女性って、このダメな男社会のなかでずっと虐げられ過ぎてて、

不倫相手だの、
浮気相手だの、
愛人だのと、
女の人の側が、悪のように
描かれ過ぎてて

それって変じゃね?!って

ずっと思ってた、
その謎の、解が、多分ここにあった。

驚いた!

車椅子から転げそうなほど、泣けたし
また、それぞれの女性を演じる、
役者さんの眼が、すごく良いし綺麗!

目は口ほどに物を言う、ではないけれど、
皆、愛に対して、本気なんだよね!

また、神の御前(みまえ)に、平等に
裏切りはあってはならないし
誠実に務めなければならない事の

意味の重大さを、世の男の人々に
改めて知らしてくれる、そんなエンディング。


冷静に考えてみても、
好きで、不倫してるわけじゃないんだ。

結果、婚約者が居る人と、
恋に堕ちてしまい、愛に溺れてしまっているだけで。

でも、それぞれが思う、ダメ兄の、
良いところもかなり、あったりして。

優しいところ。
憎めない奴。
塩顔イケメン、
情に流されちゃう、そういうダメなとこ。

だから、どの女も未練残して、
踏ん切って別れてんのに、
振り返しそうになる、笑顔と包容力。

そして、隠せてると思ってるおっとりさん、

頭隠して尻隠せず、な
下手くそで、可愛いところ。

いやぁ〜、こんなにモテるんだ
というよりも

男って、本当にダメだな〜というか、
逆に、そこを見抜けてて、

妹として、
婚約者として、
妹の友として、
学校の担任として、
そして、今度こそ
自分だけを愛して欲しい、か弱い女性として、

みな真面目に、真っ直ぐに、生きてるんだな。

なのに社会は、クズと呼ぶ。

少女から、少しずつ兄と妹な、
兄妹から卒業しなとならない、JKの、

大人の階段を、両親亡くし兄の保護下を、
ぶち破って卒業してゆく、

たくましさ、りりしさ。

一族の墓のお参りの時に、兄貴をブン殴るJKが、
小さい女の子が、兄よりも数倍大きく、

それは、精神的に大きく、成長出来ていて、
ふわふわ生きてる兄との対比において、
器のデカさを、大きさを感じたし。

ラストの失踪前の、さっと手を差し伸べられる
JKの勇気と友情に、
多分、自分もあの挙式に参列してたら
車椅子だからスタンディングオベーションは
出来ないけど、
喝采(applause)を贈ったと思う。

大胆な解決法が、兄からの卒業と
負け犬女やら、負け戦言われそうな
世間への、軽やかな反逆。

胸を打たれましたわ。ストレートで、実にすごいなと。

映像と併せて、メイクや照明の良さも
相まって
どの女性の演者さまも

男性的目線と思わないで
サラッと読み抜けて欲しいけれど、

お顔や、御御足、指先や、デコルテ、
すごく綺麗だった。

どの女性も負け犬みたいにならないエンディングって、すげーーーー!って、泣き笑いしてしまった。

うん。これは新感覚。

怖くない女の人も、世の中に居るのね!と、
少し、凍てついた自分の、弱っちい心がほっと出来た、素晴らしい作品。

お気に入り!
^ - ^)o

お勧めいたします。
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第13回田辺・弁慶映画祭ではグランプリ 獲得
俳優賞、観客賞 他 史上最多5冠

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019国内コンペティション長編部門 正式出品
同部門 観客賞 受賞作品


監督- 芳賀俊、鈴木祥
脚本- 沼田真隆
編集 - 芳賀俊、秦敏樹

撮影監督 - 芳賀俊
撮影補- 五十嵐一人
特機- 沼田真隆
録音・整音 - 柳田耕佑
音楽 - 柴山明史

助監督 - 高橋優作

タイトル・宣伝デザイン - 東福寺基佳
主題歌 - 「kaleidoscope」円庭鈴子

配給 MAP+Cinemago
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