TaiRa

音楽のTaiRaのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
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割と好きだし結構笑えた。間の取り方とか90年代っぽい。

音楽知識ゼロの不良がバンドやる初期衝動系の話かと思ったら違った。どちらかと言うと本当の名前を知るみたいな、自分の声を取り戻すみたいなそういう話。まず坂本慎太郎の声の魅力だよね。あの人の喋りがないとあんま成立しない、というか面白くならないと思う。前野朋哉の太田がまた良かった。太田イイ奴。バンド始めるまでの流れを説明なしで行くのも後の展開考えると正しいし、余白ある分、研二に想いを寄せてしまう。フォークソング部の森田が歌い出すと声変わるのとか地味に笑ってしまった。古武術ってバンド名決めるくだりが一番テンポで笑える。彼らの音楽って割とちゃんとしてるよね。森田が路上ライブで覚醒する部分が一番音楽論として成立してる気がする。声を獲得するって面では全員にその要素があって、埠頭で太田と朝倉が練習しながら「バンドやって良かったな」と確認し合うとことか好き。研二が離脱してから戻って来るまでの葛藤なんかは全く説明しないし、彼の過去も全く分からないけど、彼が音楽の人だった事は分かる。研二が彼らしく生きられるまでの物語。だからフェスでの演奏がそれなりにちゃんとした形になってるのも納得するし、彼が解放される瞬間はあの歌声含めてエモーショナル。ラストもそれ踏まえた「青春」感で可愛かった。ロトスコープとしては普通かな。間が長いとこは尺埋めてんのかなって思っちゃった。
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