2008年のコンサートを最後に人前に姿を現さなくなった、ヴォサノバを産み出した音楽家ジョアン・ジルベルトの行方を追ったドキュメンタリー作品。
僕はジョアンの事を知らずに本作を鑑賞したのですが、ドキュメンタリー作品でありながらミステリー的な要素とロードムービー的な要素を感じ引き込まれ、はじめは全く知らなかったジョアンという謎の人物に徐々に惹かれていきました。
関係者等へのインタビューや交流によって見えてくるジョアンの輪郭に好奇心を刺激されたのです。
本作は、ジョアンの行方を追った時の事を記した本とその作者であるマーク氏に感化された本作の監督・ガショ氏がジョアンの行方を追う旅の様子がメインに描かれています。
そんな彼が追い求めていたのは、ジョアンの行方であり、マークの背中であり、ジョアンの行方を追う事そのものでもあるように見えました。
そして本作の終わり方は僕にとってこれ以上ないくらいの最高の終着地だったように思います。