Lugh

いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46のLughのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

厳密に言うと、この映像作品はドキュメンタリーではない。映画である。そういう意味でいうとヴィム・ヴェンダース「都市とモードのヴィデオノート」に近い。

シナリオのない素材を使用すればドキュメンタリーになるというのは、真のドキュメンタリーには通用しない作り手側の勝手なルール。
この作品の中でドキュメンタリーと云えるのは、レコ大パフォーマンス前の廊下での直前練習の部分。激しい振りになびくスカートの音。ああいうものがドキュメンタリーだ。
監督と彼女たちのダイアローグは、ある一定方向に強いられていたし、言葉を発したメンバーの数が少ないのも残念ではある。

ただ、彼女たちが、偶然であれ必然であれ、乃木坂46として集った事実が積み上げた、奇跡とも云えるその関係性、グループの成果は確かに存在していること、彼女たちを囲むスタッフやファンとの繋がりの強固さは今までのアイドルとは一線を画すことに間違いはないだろう。
先達のAKB48らを大きく引き離し、おそらく後進の坂道グループたちも辿り着けない高みまで到達しているとも云える乃木坂46。その先に何が待っているのか、その道程を踏みしめる前に振り返った走馬灯としての映画としては、いい映画だったと思う。

乃木坂にはいい曲も多い。今作の主題歌となった、秋にリリースされるシングルのカップリングとなるらしい「僕のこと、知ってる?」もファンからは神曲と崇められるであろう、いい曲だった。
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