Kota

ルクス・エテルナ 永遠の光のKotaのレビュー・感想・評価

4.0
“健康な人には想像もつかないだろう。”

“屋敷女”で有名なベアトリス・ダル(本人)が魔女狩りをテーマの映画を初監督する事となり、シャーロット・ゲンズブール(本人)が主演として呼ばれる。しかし、その狭い現場は想像を絶するほど沢山の不満が充満しカオスと化していた。

ギャスパー・ノエだと“クライマックス”が大好きなのだけど、この作品も最高だった…。冒頭ベアトリスとゲンズブールの落ち着いた会話から始まるが、一歩楽屋を出たらそこは地獄絵図。監督を嫌うプロデューサー、文句が絶えないエキストラ、どこからともなくやってきた記者、常に時間に追われるアシスタント。そのそれぞれの想いはひしめき合う空間の中で混沌へと変わる。ただの段取りが悪い撮影現場なだけと言えばそれだけなのに、ギャスパー・ノエが取ると嫌悪感が段違い。お得意の長回しショットも画面が2分割されてさらに気持ち悪い。

彼の映画はいつもポリゴンショックが凄いけれど、今作は凄いなんてレベルじゃない(笑)。もう本当に苦手な人なら吐いているんじゃないかと思うほどの点滅の嵐。しかもそれがエンドロール含め10分くらい続くという、まぁなんと眼に悪い作品よ(笑)終盤は半目でしか見れなかったし、何を観てるんだろうって気分になって然るべし。

”映画人の責任は作品を芸術にすること”と本編でも引用されるけれど、いつも観終わった後に面白いかどうかとは別の次元に連れて行ってくれる映像体験が彼の芸術なのだとしたら…それはそれで嫌いじゃない。とゆうかかなり好き。
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