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ルクス・エテルナ 永遠の光のinazumaのレビュー・感想・評価

3.5
あまりノレなかった『CLIMAX クライマックス』に続きギャスパー・ノエ作品2本目。
今回は割と楽しめたかも。バイオレンス渦巻くえげつない内容かなと勝手な先入観で鑑賞しましたが、コメディな印象。不穏すぎるオープニングにもビクビクしましたが拍子抜けしました。

面白かったのはギャスパー・ノエがラース・フォン・トリアーに匹敵する「挑発大好きおじさん」であることが分かったこと。ゴダールやドライヤーら名匠の名言を堂々と掲げ商業映画を批判し、挙げ句の果てには「これがオレの映画だ!」と言わんばかりに、観客に向かって視覚的暴力を行使してくるという暴れぶり。。
⚠️クライマックスには目にご注意を👀

お騒がせ名女優ベアトリス・ダルが映画を初監督する話。現場は悪口・陰口が飛び交い、無関係者が当たり前のように出入りし、女優漁りをする映画監督の卵(コイツ嫌い!)がウロチョロ…もう笑っちゃうぐらい酷い現場。個人的にツボなのは隙あらば髪をセットしようとしてくるスタイリストのオッサン。
…もうベアトリスが不憫で仕方ない!でもこういうテンパっててワチャワチャした舞台裏の描写ってなんか惹かれます。『PERFECT BLUE』の冒頭なんか不思議と印象深いです。

シャルロット・ゲンズブールがベアトリスと過去の出演経験について会話してるとこで「体を焼かれたことがある」と言ったり、娘が"ある場所"をケガするくだりとかトリアーの鬱3部作を思い出さずにはいられない。この人は挑発大好きオジサンに好かれる女優さんのようで💦
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