戦争のWikipedia記事を読むのが大好きなのでとってもハマりました。
なんなら「ミッドウェー海戦」のWikipedia記事の実写化と言ってもいいのではないかという作品。
浄水器の故障ブラフやハルゼーの離脱、駆逐艦嵐の追尾やジョン・フォード監督などなど、
細かいエピソードを律儀に再現してくれていて楽しかったです。
一次資料をキチンと映像に落とし込んでいる時点で安心して観られる映画でした。
史実それ自体で面白いので余計なことをしていなくて良かったです。
戦争のダイナミクスが映像化されています。
そこからいかに映画として面白くしていくのかがポイントなのですが、
その点も満足でした。
興味深いなーと思ったのが、連合艦隊司令官の山本五十六が、ミッドウェイ海戦に負けたあとに読んでいる本(英書)
南北戦争の北軍の将軍、グラント将軍の自伝を読んでいることです。
アメリカ南北戦争は最終的に北軍が工業力を背景に南軍に消耗戦を強いて勝利したというのが通説らしいのですが、
山本将軍がまさに太平洋戦争後半の行く末を予期しているととれます。
米軍を北軍、日本軍を南軍になぞらえているのでしょうか。
そうすると山本五十六を、奴隷制の存続を望んだ南軍の司令官ながら、奴隷制に反対の立場だったリー将軍になりそうです。
山本五十六が、日本産戦争映画によく出てくるような将校ではなく、超インテリとして描かれているのが新鮮でした。
豊川悦司さんの英語も上手くてハマり役です。