チッコーネ

テイル・フロム・ダーク2: 奇幻夜のチッコーネのレビュー・感想・評価

3.5
『香港怪奇物語』以前のオムニバス・ホラー続編。

ラム・カートン出演の1本目は官能ホラー。
居室美術がモダンなほか、クリニックやカラオケバー、そして街中の雑貨店など印象的な風景も多数出てくる。
中盤で意外な展開を迎える脚本、「同じ姿をした霊が2体」という設定も不思議なのだが、ベースに民間伝承ありなのだろうか。

2本目は廃校が舞台、照明も暗めでJホラーへのオマージュがちらほら(忠実な翻訳なのであれば『妖怪人間ベラ』に捧げたラインすらあり)。
ロン毛デブオタクの生態や、中華女子連れションの様子にうっすらエキゾチズムを感じた。
香港映画によく出てくる、恐ろしく不気味なルックスの俳優(名前は不明)、今回も出ていたような気がする(大人なのに、小学生幽霊役のひとり、白塗りなので確信はない)。

夜の街が舞台で最も力強い3本目は円背のスター、テディ・ロビンの作品。
娼婦の煽情的なチャイナドレスやハイヒール、ルージュ、そして室内に飛び散る鮮血の赤が印象的。
どことなく屍食鬼のようなキャラクターが強力、中華圏の伝承妖怪だったりするのだろうか。