ヒカル

犬王のヒカルのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.5
平家物語のスピンオフ作品であり、私は本編アニメをアマプラで2周視聴、MOOK本2冊購入、小説(古川日出男版は超お高いので版権切れ¥99の吉川英治版)をまだ21%ですが読んでいるところで平家ワールドに絶賛ハマり中のため劇場へ

本作は本編以上にファンタジー要素を強めており、お話しとしては予想以上に楽しく観させてもらいました。

問題は私の側にあるのですが、ロックがかなり苦手なのです。イン・ザ・ハイツというミュージカル映画ではラテンが苦手で約半分しか楽しめず、サントラを繰り返し聞いて2回目視聴で克服出来ましたので、本作もサントラ頑張って女王蜂さんを克服する予定でしたが、配信は6月からとのことで断念し、配信されてるたった1曲も2分聞いてギブアップした次第でした。(サントラの配信を遅らすのは映画興行的には悪手だと思うのですが...)

平家物語好きでヘビー目のロック好きな方にオススメします。お話しや松本大洋のキャラクターは良かったですよ。




以下はネタバレと大体悪口です。







本作で好きなところは犬王の造形です。特に第2形態はエヴァファンなら気に入るんではないでしょうか。友魚のお父さんや師匠も良かったです。

ダメなところはロック嫌いも原因かと思いますが、一曲一曲が長すぎ、アニメーションも繰り返しを多用していて退屈だったことです。皆嫌いな竜そばでは曲を物足りない短さや曲自体が始まらないことでフラストレーションを観客に貯めさせて最期のa million miles awayでカタルシスを爆発させるという手法を採っていましたが、本作は全部長すぎです。一曲だけクイーンっぽい曲があり割と好きですが、他は正直苦痛でした。

もひとつ気に入らないのはバンドの演奏がギターメインのガチのロックで琵琶等の和の音はスパイス程度になってる事です。映画用に琵琶ver. 女王蜂ファン用にロックver.の2種サントラを作れば平家ファンも女王蜂ファンも満足で売上も上がったのではないでしよぅか。平家物語での琵琶の音色と悠木碧の何を言ってるのかほぼ聴き取れない熱演の語りに惚れた人ほど本作にがっかりしたかと思います。
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