このレビューはネタバレを含みます
和製ホラーのような不気味さと、海外のミュージカルアニメのような雰囲気が混在している作品。
当時の猿楽は、現代でいうライブだと捉えて、作中では「新しい猿楽」として表現していておもしろかった。
「諸行無常、盛者必衰」な展開が切なかった。
将軍の前で能を披露するとき、友有は「まだまだこれから一緒にやろう」といっているのに対し、犬王は「今日で最後になるかもしれない」と何か察している様子だったのはどうしてだったんだろう。
犬王は、自分自身を犬同様に扱われ惨めな思いをしたからこそ、多くの失われた命の声を聞いたからこそ、歯を食いしばって生きる道を選んだんだと思う。
友有の最期があまりにも悲しかった。
犬王の呪いは解けたけれど、友有の呪いは残ったままだから、ああいった結末になったと解釈してる。
2人がお互いの友情を疑ったり、いがみ合ったりせずに終わるのが救いだった。