ウィル・スミス演じるリチャードに対して、何度も不信感や違和感を覚えるも、何度も納得させられてしまう。
決して良い話ではないが、間違いなく良い映画だった。
いわゆる宗教映画なのだと思う。父親の身勝手な教育とそれについていく子の話。
なのだが、今作はそのバランスが素晴らしく、リチャードを擁護する方向にも否定する方向にもいかない。
リチャードはなぜこうなったのか、なぜ子どもは彼を信頼したのか、正しかったことは何で、間違ったことは何だったのかをただただ観客に見せていく構成をとっている。
感動的な出来事もあれば、その逆もある。
だから『King Richard』という原題がまさになタイトルであり、『ドリームプラン』というタイトルで感涙必至の美談映画みたいな宣伝をする日本の広告がおかしい。
これはモヤモヤしていい映画なのだ。
そこから学んだことがあなたの映画体験となる。