PoMooN

生きるのPoMooNのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
3.0
今年(2023年)3月公開のビル・ナイ主演の【生きるLiving】が黒澤監督のこの作品が元と知り視聴。でなければ全く知らない作品だった。作品自体古いからモノクロでフィルムに縦線が幾つが入っていた。

主人公、渡辺を演じる志村喬を幼い頃テレビで見た気がする。その頃からお爺さんだった記憶。
勿論、志村喬がこれほど凄い役者だとは知らなかった。この作品では目だけで色んな感情表現をする。オドオドした表情から一変して出る眼光の鋭さと、狂気まで。胃癌で死ぬと思った瞬間から今までの人生を振り返り、最後の時間を公園作りに奔放し、『生きる』

面白いのは黒澤監督の作り方。直接奔放したシーンではなくて、葬式の御斎(おとき)の時の役所の人々の会話の中でその功績と熱意が顕になっていく。役所の仕事の融通の効かなさも。
最後の命の5ヶ月をかけてやる事を見つけやり切った男のストーリー。

蛇足:ビル・ナイ主演を観に行こうかと、こっちを観たのだが、ビル・ナイ観にいくのはどっちでもいい気がしてきた。
それと、日本の昔の自宅でやる葬式後の御斎、あー、こんな感じだったなぁ、と子供の頃の記憶が蘇る(今はどこも斎場で済ますからなぁ)

No.1114
PoMooN

PoMooN