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生きるのgummizukiのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.0
黒澤明監督の『生きる』を観ました。以下あらすじです。

市役所で市民課長を務める渡辺勘治は、かつて持っていた仕事への熱情を忘れ去り、毎日書類の山を相手に黙々と判子を押すだけの無気力な日々を送っていた。市役所内部は縄張り意識で縛られ、住民の陳情は市役所や市議会の中でたらい回しにされるなど、形式主義がはびこっていた。ある日、渡辺は体調不良のため休暇を取り、医師の診察を受ける。医師から軽い胃潰瘍だと告げられた渡辺は、実際には胃癌にかかっていると悟り、余命いくばくもないと考える。不意に訪れた死への不安などから、これまでの自分の人生の意味を見失った渡辺は、市役所を無断欠勤し、これまで貯めた金をおろして夜の街をさまよう。そんな中、飲み屋で偶然知り合った小説家の案内でパチンコやダンスホール、ストリップショーなどを巡る。しかし、一時の放蕩も虚しさだけが残り、事情を知らない家族には白い目で見られるようになる。

とてもいい映画でした。主人公の渡辺勘治がお人好しでお金や仕事には堅実、けれども自己主張が下手くそで生きているという実感に乏しい日々を過ごしているという、これは監督なりの日本人像なのかなと。私がこの映画で感じたのは、人から言われり、すすめられたりする受け売りの生きるではなくて、いかに自分らしく生きるかということが重要かということ。主演の志村喬と主人公を変えるきっかけを与えた小田切みきのやりとりが素敵でした。黒澤明監督って本当に幅が広いなぁと感じます(10/29鑑賞)
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