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心霊喫茶「エクストラ」の秘密-The Real Exorcist-の特売小説のレビュー・感想・評価

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全てのエピソードは結から開始、起承転の部分は主人公が持つ距離も時間もものともせずに透視する神通力、詰まるところ回想で片付ける性急な語り、そして反証材料を一つも置かずに言いたい事だけを言いきって問題が解決したものとする問答無用な展開、即ち狼藉三昧に眩暈を覚える。

各エピソードのその内容自体はどっかで聞いた話と寸分違わぬもの、なので解るは解る、けれど見せたい奇跡を見せたいだけの茶番と自明な状態で仰々しい演出を連発されると可笑しさばかりが加速してもう呆れが返る。

但し水子供養のシークエンス、その水子役の子供のなに言ってんだコイツ面が如何な反証も気の利いた突っ込みも敵わないだろう説得力を以てその場面の意味を反転させてあって、最高。

主な舞台となる喫茶店の店内はともかく、外観はあれ屋内に作ったセットだと思うんだけど、その不自然さも難と言えば難、それこそ何度も画面に映る場所ならばもう少し気を遣ってもよかったのでは。

そして最後に、場面に沿った内容の歌詞で聴かせる挿入歌は今回も抜群、映画全体のぽんち度を上げるに大貢献、と。
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