大人向けとは言うけど十分に子どもでも楽しめるアニメーションの素晴らしさ、キャラクターの可愛さちょっとしたギャグや設定、飽きさせないテンポ。
そして大人は感動する「人生で生きる喜びとは何か?」という問いにひとつの案を出してくれる。楽しんで観た子供が大人になり将来何かしら躓くことがあるならこの作品を俺はオススメしたい
夢を叶えることが幸せなのか?何か結果を残すことが大切か?自分が存在する意味とはと色々と考えてしまうが、幸せはそれがすべて大事という訳ではないというのを教えてくれる
人の声、うるさい街、些細なことで怒る人、明るい太陽、青い空、食べ物の味、そしてただ歩くということさえも一瞬ではあるが実は人生の幸せであるのではないか。
俺たちは夢や結果という者を追い求め走りそれを掴みとるのが人生と思ってる。確かにそれはカッコいいし、素晴らしい。だけどジョーは夢を追い求めどこか苦しそうなのに対し、ジョーの友人は獣医師になりたかったが床屋をやっている。しかし人生を満喫している
けれどどちらも否定はしていない。夢を追うのは間違いではない。その裏で夢を失った人もいる。だけど何もない、自分には何も良いことがないわけではない。一瞬一瞬のこの人生に一歩一歩踏み込んでる時点で素晴らしいし、それが新しい発見にも繋がるんじゃないか
頭や心で縛りをつけて人生に制限をつけるのではなく、もっとジャズのように自由に生きて、ひとつひとつの感動に魂を震わせることが大切なんだと教えてくれる
それさえも見失いまた気づいてないまま暗い顔して毎日同じような生き方をする人たちが劇中の地下鉄の人たちで、それが実は地獄なのではないのか
現代の社会に対するメッセージでもあるし、「なんで俺は生きてんだろう」と仕事終わりに毎回そう思ってしまう精神が不安定な俺に対してはかなりドンピシャな作品だった。
音楽も遊び心があり、アニメーションも素晴らしいです。キャラクターも全員愛せるし、脚本はより最高。不満点を言うなら本当に映画館で観たかった!それくらい今年を代表する神作です