YusukeHorimoto

ソウルフル・ワールドのYusukeHorimotoのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.2
⭕️初見

ディズニー・ピクサーに関してはそれ程詳しくないが、話題になっていたし、評判も相当良かったので鑑賞。

シンプルに面白かった。

まずは、題材が良かった。
誰もが産まれて、生きていたら思う節を考えさせるメッセージ性。難しい伝え方ではなくて、できるだけライトでソフトに伝えようというのが感じられました。
ピクサー過去作でも感じたが、人に共通する事項に対して、裏側を描くのが非常に上手い。

脚本面での進行も素晴らしく、観ていてつまらないシーンは一切なかった。
現実からソウルの世界、更に違う内容で現実に戻りまたソウルの世界、そしてまた現実に戻り…って感じで、常に状況や心情が、環境や感情によって変わっていく展開。同じところを行ったり来たりしているのに常に何かが違う。ワクワクする心や人を思う気持ち、いちいち突き刺さってくるシーン展開でした。

何より、主人公がジャズピアニストということで、音楽が良い。
有名なジャズ音楽家が大昔「ジャズとは1分の曲を1分で作り上げる音楽である。」と言っていたのを思い出した。
”最もその時の感情を表す音楽“としてシーンごとに素晴らしかったし、この映画のコンセプトにもジャズが非常に合っていた。

あと、アニメーションによる表現が独特で面白かった。だいたい3Dなんだけど、2Dの感覚も駆使していて、楽しかった。

個人的に、特に大人に響くようなコンセプトだったので、モードがそっちに入っていて、オチはわかりやすすぎたなぁってなっちゃった。これは私が悪い。

総じて、エンターテイメントを通して、誰しもに共通する事項をライトに伝えるということに関しては、ピクサーを超えるのは相当難しい。シンプルに凄い。

《好きなシーン》

22番がジョーの身体に入って髪を切りに行くシーン。私はここに1番グッときた。
散髪屋の友人(名前を忘れてしまった)が話す、ジョーが今まで知らなかった人生観は、共通する人が多いのではないかと思った。街の小さな理髪店で働いてるという設定などからリアリティをしっかり演出できていたし、この映画のメッセージをかなり具体的に、鑑賞者目線で表現していたシーンだったのではないかと感じた。
YusukeHorimoto

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