惜しい……惜しすぎる……良作であるからこそ、これを劇場で観られなかったことが悔やまれる…。画面に映る暗闇の艶もそうだし、ソウル/現実のアニメーションのタッチの違いこそがこの映画の何よりの見所なのに…！！それにこのジャズの演奏のポテンシャルを最大限引き出すための設備は、とてもじゃないが配信じゃ無理だよ！！！そんなの作った側が一番よくわかってんだろ！！！何て事しやがったディズニーお前お前お前ーッ！！！
成功を掴みかけたところでウッカリ幽体離脱しちゃったピアニストと、なかなか生まれるきっかけを掴めないベテランソウルが、生きて戻るために巻き起こす冒険譚ってところからもう一山踏み込んだところにテーマを置かれているのもよかった。
誰もがまだ見ぬ自分の才能に出会い、"何者か"になることを憧れているけど、そうじゃなかったら人生は価値を持たないのか？木漏れ日や、風や、昨日食べたピザ、嬉しかったこと、感動したこと。好きなことや才能を信じることは素晴らしいけど、それだけが人生じゃない。音楽を人生と信じる男と、何にもときめきを見出せないソウルのそれぞれの視点を通じて、好きなことを大切にする気持ちも、そうじゃない人生の素晴らしさも肯定する脚本が見事。
延期してでもスクリーンで観るべき映画に対して、こんな扱いをしたこと、本当によく反省してほしい。そして、あわよくば長編アニメ受賞と合わせて再上映した方がいい。
