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ソウルフル・ワールドのtubure400のレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.6
人の感情の在り方についての映画(『インサイド・ヘッド』)だったり、人種差別や社会についての映画(『ズートピア』)だったり、ディスニー/ピクサーの少し複雑なテーマのアニメ映画、というジャンルには、才能や発想力、資本とチームワークの結晶というか、大衆芸術の一つの頂点という感じがある。『ソウルフル・ワールド』を観るためにディズニー+に加入する、という層も多いのではないか。

その甲斐はあったと思わされるすごく面白い映画で、若干短い(気がする)のだけが玉に瑕という感じだった。ストーリーもいいのだけれど、ふとした瞬間の、音楽について熱く語る主人公とか、階段でトロンボーン?を吹く女の子とか、木漏れ日がきらめく描写とか、一つ一つのシーンの美しさに感動して、涙ぐんでしまう。

かつてRadioheadのトム・ヨークが、「僕たちの曲がオーディエンスが普段の日常生活で感じているものより『リアル』な感情を描いている、という風には思ってほしくない」というようなことを言っていた思い出があるけれど、『ソウルフル・ワールド』で描かれる世界は実際自分が見ている世界よりも『リアル』に感じられる。最終的にマインドフルネスの話という感じがあった。ただ、人間、いつか死ぬということを覚えているのが難しいのと同様、今現在生きているということを常に意識しているのも難しい、ということだと思った。
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