津軽系こけし

ソウルフル・ワールドの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.4
そんな日を想って、日々を行こう


主人公の顔がナスみたいで愛着湧かなかったけど、22は可愛いからすこすこのすこ。ピクサー産の死後の世界を題材とする作品といえば「リメンバーミー」を真っ先に思い出すが、それと比べ今作はかなりこじんまりしたスケールのお話。というのも、死後の世界という舞台を謳歌するのではなく、あくまで死者という立場から”生きる”とはなにか?を再定義する内容なのだ。故に「リメンバーミー」のような華々しさには欠けるものの、自分の人生に落とし込めるような深みのある作品である。

ピクサー作品皆涙賞

3DCGの挑戦という側面でも大きな成長を見せている。もちろん、死後の世界のふわふわとした質感や、インフォメーショングラフィックスの優美さにも感動するけど、舞台となるNYの街並みが底抜けてる。途中途中、本当に実写と勘違いするくらいにリアル。たぶん、ピクサーが手がけた街並みの中でも今作のそれは常軌を逸していると思う。
強いて言うならあの世界観の設定をもう少し楽しませてほしかった。ディズニーピクサー特有の設定説明の応酬が、今作はちょっと怒涛すぎて楽しむほどの余暇がなかった印象。たしかに、情報をまとめあげるスマートさもすごいけど、ディズニーピクサー作品に関してはある程度余裕のある方が楽しめると思った。

だが、いかんせん主人公のモデリングが好きじゃない笑。リアルな街並みに合わせて人感を湛えたかったのかは判然としないけど、中途半端に人って感じがしてちょっと気持ち悪い笑笑。やるならどっちかに振り切って欲しかったな。
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