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レディ・マエストロのjocxのレビュー・感想・評価

レディ・マエストロ(2018年製作の映画)
4.2
女性指揮者は本当に数少ないし、ついこの間まで男社会だった。あのベルリンフィルだって女性を入れたのは記憶に新しい。カラヤンだって相当揉めた。どの世界にも、その世界にしか通用しない掟みたいなものがある。それを破るのは容易いことではないし、まして大恐慌時代は女は慎ましやかな妻で子供を産むことを尊重される。その中で音楽の類稀な才能を持ったアントニア・ブリコ。彼女の半生は波乱万丈でオランダ移民としての偏見、両親、特に母親(養母)との確執。師匠からのセクハラ、恋人の愛故の束縛、女性指揮者のパイオニアとなるも様々な障害と闘って行かねばならない。しかし、どんな功績を残しても現代には彼女の名前すら残らない。まだまだこの世界は閉ざされているのだ。日本の女性指揮者、西本智実さんすら名前が上がらない。最後のクレジットでがっかりしたが、イケメンの恋人ベンジャミン・ウェインライトに一目惚れ💓そしてLGBTのロビンことスコット・ターナーの演技に評価を高くした。劇中で流れるガーシュウィンやストラビンスキー、チャイコなど音楽も聴きどころ満載‼️2時間半近くある映画でも最後まで飽きることなく観られたのは、それだけ楽しい映画だったからだと思う。是非観てほしい映画。
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