NHK BSの『プレミアムシネマ』で鑑賞。
嫁いで早々に寡婦となってしまった元高級娼婦のジル（Claudia Cardinale）。
ジルの嫁ぎ先マクベイン（Frank Wolff）一家を皆殺しにしたフランク（Henry Fonda）。
フランクによって一家殺害の濡れ衣を着せられた盗賊シャイアン（Jason Robards）。
フランクを付け狙う謎のガンマン “ハーモニカ”（Charles Bronson）。
美女と、彼女が持つ利権をめぐり思惑と裏切りが交錯する骨太のドラマ。西部劇の傑作！
ジルが多くの西部劇映画で見られる「か弱く、男の帰りや到着を待つ女性」ではなく、頭が切れて忍耐強くて利用できる物は何でも利用する強かさを持つキャラクターである点がとにかくいい！ 人間模様や当時の生活風俗を叮嚀に描いてあることも相俟って、ある意味ではアンチ西部劇とも言えそうな出来に仕上がっている。冗長に見える場面が皆無というわけではないが、欲とカネに執着して翻弄される男たちの醜さ・強欲さ・滑稽さをよく映している。哀愁や虚無感を感じさせるEnnio Morriconeの楽曲も素敵。
