このレビューはネタバレを含みます
今までの園子温映画を見ていると、これまでの自分の映画のいろんな部分を切り取って出していて(名前、設定、セリフ)、そういうセルフパロディ的な遊びを入れたんだろうなーと思いながら…でも、とくにそこもあまり面白くはなかったかな。それこそ知ってる人しか楽しめない。それと椎名桔平がいくら暴れても、なぜか狂った人という感じがしない。
はじまりは「50円を返したい」っていうのも実話っていうの、最初から最後までフィクションみたいな事件だな…。
「冷たい熱帯魚」で実際の事件をモチーフにした園子温作品をはじめて見てから、彼の作品をいろいろ見ているものの…やはりあの作品はフィクションの程度が上手かったんだな、と思った。実際の事件の恐ろしさに加え、村田の強烈なキャラクター、音楽。
今回のフィクションである「映画製作」という設定部分が多過ぎて、事件の恐ろしさは伝わらなかったので、「実際の事件をモチーフにしたもの」っていうのは後から知ればよかったのかもしれないと後悔。そうしたらまったく別の物語として見ることができたのかなあ…
※この北九州監禁事件の恐ろしさを知るならウィキペディアで文字だけを読んでいるほうがよほど恐ろしい。こと細かく書いてあるのに全貌が分からなくて恐ろしい。(尼崎事件も同様。当時のニュース恐ろしかった)