日本犯罪史上では猟奇、陰湿、残忍さでトップクラスの北九州の事件をモチーフにしたという事で、まさか忠実に実写化したのかと思ったが、園子温監督らしくコミカル＆ブラックな創作劇で一安心。
『ヒミズ』以降は大失速し、凡作を毎年作って失望させていた園子温監督の久々の傑作である。ドタバタ・スプラッターのまま終了と思わせて、ラストに伏線を生かしたオチを用意したのは大きな進化。
主演の椎名桔平は芝居を臭くし過ぎて、悪人にあまり見えなくなったのがマイナス。どう見ても椎名より強そうな、でんでんと喧嘩してあっさり勝っちゃうのは変でしょ(笑)
女優陣がなかなかの熱演で、特に新人の鎌滝えりが良かった。精神が壊れ始めた辺りの目つきはゾッとさせる。
主題歌(?)は蜷川実花監督の『ヘルター・スケルター』でも使われた、戸川純の人気曲『蛹化の女』
