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最初の晩餐のtomoeのレビュー・感想・評価

最初の晩餐(2019年製作の映画)
3.8
父親の死をきっかけに久しぶりに家族が集った東家。お通夜で参列者に出されたのは母が作った目玉焼き。これは父の遺言で、次々と手作りの料理が運ばれる。それは家族が忘れていた懐かしい記憶を呼び起こすものであり、今まで知らなかったお互いの過去を紐解いていくものであった。
徐々に明かされる家族の過去。一見気の強そうな姉も無関心そうな弟も家族との小さな軋轢から来てるのかなと思うと胸が痛くなる。よくあると言えばよくあるちょっと複雑な家族。決して関係が崩壊してる訳ではないけど家族にしか分からない踏み込めない部分があってそれが家族の中に溝を作ってく。家庭環境はともかくこの家族の在り方ってどこの家庭にも起こり得ることでこの絶妙な距離感ってすごく分かる。
クライマックスを見てると家族ってなんだろう、血の繋がりとか戸籍とかそんなこと関係ないんじゃないかって考えさせられる。
でもみんながもやっとしていて踏み込めなかったものが少しずつ溶けあっていって、また新たな家族の形が生まれ始める。
なんだか静かなでも大きな変化を目の当たりにしていた気分。
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