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死刑台のエレベーターのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
4.0
ノエル・カレフの小説をもとにした当時25才のルイ・マル監督のデビュー作で、ヌーヴェル・ヴァーグの誕生に先駆けたサスペンス映画の傑作。
原題:(仏)Ascenseur pour l'échafaud、(英)Elevator to the Gallows
(1958,92分)

ジュリアン(モーリス・ロネ)は、自分が勤める会社の社長夫人(ジャンヌ・モロー)と愛人関係にあり、共謀して社長を自殺に見せかけて殺すが、高層ビルのエレベーターに閉じこめられる。
ジュリアンに憧れる若い娘と彼女の恋人は、ジュリアンの車を盗み、もう一つの事件をおこす。
約束の時間を過ぎても来ないジュリアンを探し、社長夫人は夜のパリの街をさまよう…。

エレベーターに閉じ込められた男、車を盗んだ若い男女、愛人を探す女の三つの物語が並行して描かれ、サスペンスを盛り上げる。
アンリ・ドカエのカメラとマイルス・デイヴィスのモダンジャズが人妻の焦燥感を雄弁に物語る。
そして、芸術の香りを感じさせるラストの美しい映像も見事。

「○○なら一緒ね。いつでも一緒ね。誰にも邪魔されない。」
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