カタパルトスープレックス

アルプススタンドのはしの方のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

4.3
甲子園球場のアルプススタンドの端っこを舞台にした🤤ユルい群像劇🤤……に見せかけた🔥エモいドラマ🔥です。かなり好き。

県立高校なのに甲子園出場を果たした東入間高校。まだ一回戦なのに全高上げての応援に駆けつけます。当然ながら乗り切れない生徒たちもいる。野球のルールもわからない演劇部の安田あすは(小野莉奈)と田宮ひかる(西本まりん)、元野球部の藤野富士夫(平井亜門)。そして、吹奏楽部部長の久住智香(黒木ひかり)に優等生の宮下恵(中村守里)。みんなそれぞれ事情を抱えている。

テーマは「しょうがないなんてない」ですかね。ガンバったら打席に立ちたい。「送りバント」、「犠牲フライ」、「トレイン・トレイン」に「矢野」といったキーワードが伏線となっていますが、その回収の仕方が上手い。それぞれ、登場人物たちはクールに装ってるけど、みんなガンバっている(いた)。そして、どこかで諦めてた。「しょうがない」って。県立高校の相手は強豪の私立常連校。明らかに格上。得点差もどんどん開く。「しょうがない」のか。

群像劇はキャラクター造形が大事です。それぞれのパートが短いし、本作の場合は尺も短い。それぞれのキャラクターの背景や想いを描けないと最後のカタルシスに観客を持っていけない。それが本作ではちゃんとできていると思います。

だらーっと🤤ユルい🤤作品を観たいなーと思って選んだのですが、思わぬエモい展開で🔥胸熱🔥になってしまいました。