4人しか居ない演劇部員の為に顧問の先生が書いた脚本が大絶賛、全国高校演劇大会最優秀賞から商業演劇化、更に映画となる。
元々の出発点がそこだから、野球場のスタンド応援席という状況にも拘らず、青空の下の密室会話劇に近くなってる(勿論、映画用に登場人物もエキストラも増えているが)、時間も演劇大会の制限時間が60分と言う事で、最近の映画として珍しい75分で完結している。
4人、それぞれが悩み、挫折、屈折から俯いて立ち止まった状況、それを強豪校相手の試合経過にシンクロさせ、再び立ち上がり「しょうがない」という諦めを突き破って歩き出すまでを上手に描いている。
中島みゆきさんの歌の数々を映像化したような作品にも感じました。
映画としては、転から結への転換点、演劇部員田宮さんの覚醒が少し唐突に感じるけど、全体から見れば十分許容範囲。
「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」(1995年)が恋愛の会話劇なら、本作は青春真っ只中の会話劇。
久々に爽やかな青春群像劇を観た気分になりました。
試合がワンサイドゲームの負け試合だったら、4人の人生、どうなったんだろう。(笑)
※アルプススタンドと謳いながらどう見ても地方球場、埼玉県予選と勘違いしました(汗)、尤も、本物の甲子園使ったらエキストラ倍に増やさんとスカスカになるから、予算的にこれでいいのかもしれない。