コン

アルプススタンドのはしの方のコンのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

私は商業演劇版の千秋楽、映画化が決定したと発表された瞬間に客席にいました。
高校演劇の元である作品を観ていた訳ではないですが、商業演劇版も本当に素晴らしく、だからこそこの公演に繋がったのも納得出来ました。それぐらいに面白かったです。
当初は映画にしたかったけれど諸事情により演劇でのお届けになったと聞いていましたが、映画化に漕ぎつけたということで客席の熱も凄かったという記憶が残っています。

発表されてから公開はいつだろう、春といっていたから3.4月かな、と楽しみに待っていた頃にやってきたこの世界。
それでも公開まで頑張ってくださったスタッフの皆様に感謝します。お疲れ様でした…!
この状況下に公開されたこと、偶然とはいえ意味があったと思います。

頑張っていたけれど最後まで頑張りきれなかった私には本当に刺さりまくるシナリオで、演劇らしいものでありながら映画化によって出来る幅も違う方向に広がってまた新しいものになっていたと思います。
演劇版では宮下さんを傷付けるな…!と宮下さんのモンペになっていましたが(笑)映画版では見事に久住智香に感情移入してしまいました。
このキャラクター付けはズルい…応援したくなりました。
彼女も彼女で普通の高校3年生だったんだなと思いましたし宮下さんもそこは歩み寄らないのか…と思ったりしたけど高校3年生だもんな、そういうとこもあるか…と眺めてみたり。

何も知らないくせに…!とお約束な言葉もありますがそれはそれぞれが違う道を歩んでいるので確かに他人に値踏みされるような行為はされたくないですよね、思春期にまたそれをやられるのはムカついちゃうんだろうなぁ…。
やってきたことに意味がない訳がない、と子供たちに伝えられる映画だと思えるし自分も励まされました。

自分はああだった、こうだった、と思わず振り返ってしまうしなんやかんや楽しかったよな、あの頃…と今笑えているのがなにより幸せなことだと思ったのでまだ観ていない方はそんな気持ちにもなれたらいいなと勝手に願ったり。

パンフレットに3ヶ月以上の交渉を重ねたけれど甲子園での撮影の許可がおりなかったとあったので撮影場所に関しては許してあげてほしいなと記しておきます笑
オリジナルの戯曲がパンフレットに載せられていてお得感満載で!とネタバレというか宣伝になってしまったけれど強いていうならラストのファウルボールキャッチは…という感じでした(笑)

上映館が更に増えてたくさんの方に夏が訪れますように!
コン

コン