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秋のマラソンのニシのレビュー・感想・評価

秋のマラソン(1979年製作の映画)
4.4
男女がひとつ屋根の下を共有するとなれば、男は女性の影響を受けることでしか動き回ることができないというのが世の常だ。そこから脱出を試みるように男3人でキノコ狩りに出向くのだが、飽きるように愉しさを見出せないように女を求めるように、あっという間にキノコ狩りは絶たれ秘書の部屋に引き寄せられている。空間を支配するのは女性だと仮定して、男女が喧嘩した場合に女性が取る行動に選択肢があるとしたら、その空間を死守するかその空間を放棄してホテルや実家に身を置くかだろう。その2択で妻と秘書は別れる。個人的な考えで、空間を放棄してホテルや実家に行き一旦自分を整理して落ち着く女性の方が魅力的でいて相手のことを思いやることができている人間だと思う。この物語で最後主人公が秘書ではなく妻を選択するのはそういう理由からだと思っている。妻が帰宅し、アンドレイが電話と空間を支配し、それまでとは一転アンドレイが妻に影響を与えるようにキッチン(?)に導線を向かわせる。そういった自由は一時的なものであるかのようにビルが部屋に訪れてランニングという日常へと誘う
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