ホーリーマウンテンやエルトポなどで知られるアレハンドロホドロフスキーのドキュメンタリー映画。ホドロフスキーが長年利用している心理療法の話。
ホドロフスキー自身も映画も大好きだし、彼のぶっ飛んだ演出に興味があって今作を鑑賞してみたけど、まさにカルトと芸術の中間と言ったような作品になっていました。相変わらずホドロフスキーはクレイジーだけど憎めない優しいお爺さんで、その点は面白かったです。ただそれに対して、たとえ心理療法であってもサイコマジックという神秘的な演出の中身をわざわざ解き明かす必要はなかった気がします。もちろん、世間様がホドロフスキーの映画をあまりに理解していないからこそ、今作みたいな説明書的な映画が作られたんでしょうが。。。
サイコマジックを受けた人たちみんなが、まるで人生が変わったかのようなことを語っていたのはちょっと面白おかしかったんだけど、実際の療法中の映像を切り取るよりも、ホドロフスキー自身がどういう理念でサイコマジックを実践しているのか、或いはどういうふうに開発されていった治療方法なのかを過去の映画と共に説明した方が興味深い内容になったと思います。どうしてもやっぱりホーリーマウンテンとか、サンタサングレとか、エンドレスポエトリーに比べると今作は魅力に欠けるのが否めません。
ホドロフスキーの監督次回作は決まっていませんが、タイカワイティティが彼の漫画を映画化するそうです。ちょっとだけ楽しみです、ちょっとだけ。
