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サヨナラまでの30分のmのレビュー・感想・評価

サヨナラまでの30分(2020年製作の映画)
4.6
これは拾い物です。
新田真剣佑と久保田紗友が出逢ってからバンドの躍進と恋愛の進展、そして真剣佑の事故死までを台詞無しで一気に見せ切る5分程の冒頭シーケンスで気概を感じた。真剣佑と北村匠海の入れ替わりを序盤にしっかり画で語る工夫もあって良い。

とても若くて青いベタな内容を、作り手も良い意味で青さを保ちつつ、ベタをベタでバカにせずに語り切ろうとする誠実さがあって良かったと思う。思いの外素直に入り込んで観られた。カメラはちょっと動き過ぎかなと思うけど。

真剣佑は本当にスターの風格と魅力があるのに、こんな小さな島国では彼のポテンシャルが全く活かされないのがつくづく悲しい。それでも今回は彼の魅力がかなり出ていたと思う。
対する北村匠海は元々歌手出身だけあって、音楽方面での才能=歌と楽器の才能を全面的に活かされていて彼もまた良かった。

陽の真剣佑と陰の北村匠海のコンビ感も良くて、それ故にクライマックスでの彼らの姿は素直にグッと来る。クライマックスで何が起こるかは分かり切ってるのに、演出や演技や撮影や編集でしっかり盛り上げてくれる。劇中バンドの歌がダサくなくてちゃんと良い感じなのも良かった。
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