サヨナラまでの30分の作品情報・感想・評価

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「サヨナラまでの30分」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

「カセットテープを再生する30分間だけ身体が入れ替わる」という、一見荒唐無稽にも見えるストーリーですが、蓋を開けるとこの上ない良作でした!

特筆すべきは主役二人の演技力と歌唱力。これがとんでもないレベルなのです。特に北村匠海さんはアキと颯太を「歌い方」で演じ分け、さらに演技でも「アキ」と「颯太」そして「颯太の"ふり"をするアキ」を見事に演じいたので見事すぎた。これ本当に全部一人の役者さんなの? 怪人ですかこの人は。
北村さんは俳優とバンドの両方の活動をされていますが、その二足のわらじが初めて生きたというか、「両方をやってきたことに間違いはなかった」と思えました。
新田真剣佑さんは、歌手でもないのに歌がプロ並み。CD出せる、いや出して。

あとは楽曲の良さ。オープニング曲に始まり、どの曲もとにかく全部イイ! 劇中でも1曲1曲の尺が長くとられて聴きごたえもあり、見終わった後はライブ1本観てきたような満足感がありました。

まず掴みとして、オープニングの映像がとても好き。アキとカナの出会いから、バンド始めたこと、恋人になったこと、ライブが盛り上がってること、CDデビューが決まったこと、フェスが決まったこと、そして些細なケンカをしたこと…1餃子流れる中で全部分かります。そしてこのオープニング、ぐるぐる回りながらある意味1カットに見えるように映像を繋げているんですよね。この斬新な映像で観客の掴みもバッチリ。(これは撮影賞獲ってほしいです)

物語の主軸はもちろんアキと颯太です。颯太にとってのアキは「うざい存在」から「上書きしたくない存在」に昇華しましたが、アキにとっての颯太は、自分にはない未来を持ってる羨ましい存在だった筈。「徐々に自分の居場所を見つける颯太」と、「徐々にアイデンティティを失っていくアキ」の対比は、とてつもなく切ないです。

最初、颯太はなぜこんなにも暗くて無愛想なのか不思議だったんですが、中盤で颯太の「母親を亡くした経験」が明かされます。思春期にこんな経験があるならトラウマになりますよね。
「アキのことを忘れたくない」というカナに「いいんじゃないですか、忘れなくても」と颯太は言いますが、これは颯太が母親への向き合い方に対して出した結論なのだと思います。

カナに関しては、必要以上に恋愛描写を入れないのが良かったと思います。颯太がカナを好きになったのは、初めて二人でトロイメライを弾いた時だと思うのですが、真相は曖昧です。でもこの映画はこのくらいでいいのかも。

面接に行った颯太は初めてカセットテープに頼らず自力で受け答えをしますが、「風が吹くのにボタンを押していない」颯太と劇伴の良さが重なって、実は私の一番の泣きポイントです。ここで虫干しの描写が出てきて「僕は、気持ちが良かった」という颯太は、バンドメンバーに出会うことで、初めて殻を破れたんでしょうね。つまりこの映画は、颯太の成長物語でもあるのですね。
一方、アキは潔く自分の「消滅」を選択します。物語前半に「ずっとこのままそばにいるから」とおどけた(脅した?)アキが、です。萩原監督は「男の引き際」の話だと仰っていましたが、殻を破る颯太と身を引くアキの対比がひたすら切ないです。

他の登場人物の話を少し。颯太のお父さんは不器用ながら実直に息子を育ててきたんだろうなと思います。実は料理は苦手なんだと思うんですよ。
颯太の最終面接の日にお父さんは「頑張ってこいよ」としか声をかけないのですが、あのお父さんだからこそ妙に納得できたりもします。
そんなお父さんを、颯太はどう思っていたのかな? 愛想はないけど、父親の苦労は分かっていたんじゃないかな? だから父親の為にも、どこでもいいから早く内定がほしいと思っていたと想像できます。

バンドメンバーも良かったですね。ちょっと森ちゃんと重田がキャラ被ってるけど、原作読むと森ちゃんが「カナ」を連呼してるのが微笑ましいです。あもヤマケンが颯太を迎えに来たシーンは良かったね。その時は颯太は頑なだったけど、確実に届いたんだと思います。

ラストのフェス、あのシーンは初めて「颯太自身が」観客の前で歌ったんですよね。変に引きずらず、すっぱりと笑顔で終わったのが良かったです。あれで余韻が爽やかになって、何度も繰り返し観たい映画となりました。

萩原監督は「東京喰種」しか拝見したことがなかったのですが、光の使い方と遠景の入れ方がとても好き。これからもっともっと注目したい監督さんです。興行収入はふるわなかったようですが、いい映画なので年末の賞レース狙ってほしい。あと、早くDVD出して下さい!(映画館で上映終わるのがひたすら寂しい)

カナのスープの本は、市販されてないんですよね。あったら買うのに。まあ、これも「アキが死んでから365日経った」ことを表すシンボルであり、切ないんですけど。
Tamami

Tamamiの感想・評価

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忙しくしてなきゃ思い出しちゃって辛い
何かを常にして思い出さないようにしてる

星はまた同じところに戻ってくる
大切な物、人もまた同じところにそのまま戻ってくるんじゃないかな

上書き保存しよう

あやふやだけど印象に残った場面

みんなそうやって乗り越えてくんだよねって^ ^
真剣佑目当てで見たけど、2人とも歌が上手い。
見終わった今でもずっと曲を聴いて余韻に浸っている。
真剣佑と北村匠海の歌い方の違いに引き込まれる。
内容も死んでしまった真剣佑演じる死んでしまったバンドのボーカルのアキと性格も暗く友達を必要としない颯太の二人の絆も感動するし、死んでしまったアキのことを忘れられないカナとアキと颯太のなんともいえない切ない三角関係も見どころだ。
https://ameblo.jp/kinosehikaru/entry-12577408444.html
LiveMe

LiveMeの感想・評価

4.0
ストーリーもいいけど、やっぱり音楽の人を惹き付ける力ってすごいんだなあ、胸に響いた。邦画でここまで余韻に浸れる音楽と力を持つ映画は私が見た中では少ないかもしれない。設定はなんだか幽霊みたいだし、ライトで明るく見れるんだけど、二人の世界観がぶつかっていく感じとか、アキの実体のないもどかしさがひしひしと伝わって、自分の居場所とは違うという葛藤の中ででもどうしてももう知ってしまった世界から戻れないソウタの気持ちとか、そして2人の気持ちが真っ直ぐ込められた歌。澄んでたなぁ。
歌が歌える人、楽器が弾ける人、魅力的だなぁ、もう一度見たい。
カセットテープがほしくなる笑
ともき

ともきの感想・評価

5.0
ここでの評価の高さから気になって見ました。評判通り素晴らしかったです!曲全部ずっと聞いてます。個人的にはstand by me のピアノが大好きになりました。真剣佑さんと北村匠海さんや他の若手俳優女優さんの活躍が楽しみです!
歌がうまいイケメン強すぎる。だけどそれだけじゃない映画。真剣佑の切なげな演技が優勝
早娘

早娘の感想・評価

4.0
幽霊の映画?と思ったけど
考えさせられること多くて泣いた。
上書き。この言葉だけでしばらく
この映画を思い出すだろう…
面接行って間に合うんかーい!!!
って突っ込めたけどそんなことより
最後までしっかり泣かせてくれました。
北村くんまっけんコンビも素敵。
SakiHibino

SakiHibinoの感想・評価

3.8
音楽の良さと真剣佑、北村匠の歌声の良さ。
とってもいい映画でした〜
JKay

JKayの感想・評価

3.5
アキはアキ。ソウタはソウタ。
どちらも確固たる自分の世界を持っていたが、アキはそれを仲間と共有している一方で、ソウタはそれを自らの内に閉ざすことで周囲と隔絶していた。でも、どちらも人を惹きつける、その一点では共通しており、ソウタのそれはアキのそれによって、ECHOLLのメンバーたちに共有され、そうしてかのバンドは、再び人を魅了する世界観を構築したのだった。

いや、最終面接行っても、フェス間に合うんかい、とは思っても言ってはいけない。
ただし、カナが可愛いことは声を大にして言っても良い。
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