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ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-のバナバナのレビュー・感想・評価

2.8
Netflixで鑑賞。タイトルの通り、各国のお金持ちが脱税に利用したパナマの法律事務所に関するドラマです。
監督はスティーブン・ソダバーグなんですが、構成が分かり難いと思います。

主人公はメリル・ストリープみたいなんですが余り出てこないし、
狂言回しは逮捕されたモサック・フォンセカ弁護士事務所の両弁護士で、
最初はこの二人、いったい何者?状態だし、
そしてメリル・ストリープはほっておいて、その弁護士を利用している3組のお金持ちの話が始まったりして、
いったいこの作品はどこへ向かっているの?と、焦点が合いずらい作品でした。

日本人にもこの弁護士事務所の会社を利用していて、この事務所から流出した“パナマ文書”に名前が載っていた人が700人程居たそうですが、
映画に出てきたお金持ちの話の中で、思わず私が身を乗り出してしまったのは、
中国共産党の重慶市の権力者だった、薄熙来、谷開来夫婦の話が出てきた時です。
なにせ彼らがやった、逮捕した法輪功学習者に対する臓器摘出・売却事件や、イギリス人実業家殺人事件がそのまま出てきたのですから!

映画を観終わった後、ちょっと調べたら、日本でも20年位前に大盛況だった『人体の不思議展』の人間の標本も、この夫婦が(特に妻がやってたそうだが)標本工場に臓器を抜き取った後の法輪功学習者たちの遺体を売って、商売していた張本人だったそうですね。
(夫・薄熙来の浮気相手だった、当時の人気女性キャスターだった人が妊娠した状態で行方不明になっていて、どうやら妻・谷開来の逆鱗に触れて、この組織に売り飛ばされて殺されたんだじゃないか、と言われており、「この人なのでは」と言われているご遺体もあるそうですが、特定はされていないそうです)

うわー! あの夫婦もこの会社の仕組みを利用してたんだ!と思ったら、
なんかよく分からなかった映画の内容が、そこから無茶苦茶生々しく感じてしまいました。
スティーブン・ソダバーグだから、ラストも小洒落多終わり方になってはいたんですが、私はこの夫婦のエピソードが出てこなかったら「なんかメリハリない話だったな」で終わっていたと思います。

ブラックマンデー物やリーマンブラザーズの倒産の話とか、金融物は何作かありますが、その中でも特に分かり難い作品だった様に思いますが、こういう人達が利用してたんだな、というのはよく分かりました。
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