あお

SEOBOK/ソボクのあおのレビュー・感想・評価

SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)
4.0
永遠の命を宿したクローンの青年の、悲しみと切なさ、孤独に胸を打たれた。

死ぬことから逃れられない人間は、不死を夢見る。
だが、永遠の命とは本当に希望でありえるのだろうか。

人を救うために生まれたクローンの青年は、自分が望む何者かになれないという悲しみを背負って、永遠に生きることを強いられている。
彼の前に広がる途方もない時間。
その孤独。

確かにテーマとしては目新しいものはなかったのかもしれないが、クローンを演じたパク・ボゴムと、彼を援護することになった主人公を演じるコン・ユの存在感が素晴らしく、作品を押し上げてくれていたように思う。

研究所の中に映し出された海や、2人が語り合う海辺、ラストの夜のシーンなどの描写も、美しく印象的だった。

クローンの青年と共に過ごす中で、自分のそれまでの生き様を振り返り、死を見つめ直していく主人公。

観客である私にも、
生とは何か、死とは何かという、青年の無垢なる問いかけが響いてくるような、そんな作品だった。
あお

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