磯野マグロ

羊とオオカミの恋と殺人の磯野マグロのレビュー・感想・評価

羊とオオカミの恋と殺人(2019年製作の映画)
3.0
【まいんちゃんまいんちゃん】

まいんちゃんの映画は、あ始まったな観よう、と思ってるうちに待ったなしで終わっちゃう。なんでだろうおれ好きなんだけどなまいんちゃん女女演もスピカもあっという間に早朝とか真っ昼間になって、見逃した。今回は早めの鑑賞を心がけて上映時間チェック怠りなく、夕方の楽天地へ。
アパートのとなりの部屋の黒須くんにご飯作ってあげる宮市さんことまいんちゃん。料理めっちゃうまい。さすが幼少のみぎりから板場の修行をしていただけのことはあるよ。そして料理よりうまいのが殺人。ビニールコートきてカッターで首をざっくり。三度の飯より殺しが好きなニッコリ殺人鬼。
というあたりがメインのストーリーなんだけど、リアリティがゼロ、というかマイナスくらいしかない。頸動脈をすっぱり切り裂いて、血がドバドバ出ちゃった死体(血抜き?)、あとでどうやって使うんだろうね。でもそれはまったく問題ない。そういう設定だし、かわいいから。
その大きなウソ(設定)を生かすために、他の部分ではノイズを極力減らして欲しいんだけど、そこがうまくないんちゃん。死に損なったやつが「死ぬこともできないのかよ」って口に出して言うか?のぞき穴デカすぎだろバレてないと思うほうがおかしいくらい。しかも本を落としてどうして平気なんだよ。こういうところで一個一個ハラハラさせないでなんのための映画じゃい。やる気だしたらその表現としてまず自分で部屋の掃除しろや黒須。死ぬ間際に言うなら宮市さんいい匂いがします、だろ(これは趣味の問題か)。
というイライラを乗り越えると、あとはまいんちゃん祭り。血が桜吹雪のように舞います(こんな血の出方するボンクラゾンビ映画あったっけな)。基本、まいんちゃんアクションできる人ではなさそうで、相手をクルクルまわしながら首切ったり(リンゴの皮むき?)、体をドサーッと預ける不思議な殺陣とか、なんかいい雰囲気です。秒で殺される名優コマキン先生、不憫でした笑。
ラストはうん、そうこなくちゃね、という終わりかたでやっと溜飲下がるかと思いきや甘々。「もったいないから何度も殺してあげる」とかいって欲しかったよ。
全体的にスプラッタとしてはまったくで、もっと血が出なきゃまいんちゃんの狂気も引き立たないだろうが、とやきもき。「かわいいかわいい、でも、血まみれー」だったらサイコーにサイコなのに。ほんと、血まみれにする気ないなら、殺人鬼映画とかやめときなさい。玉城ティナの気合を見習おうね…。
明るくなったら後ろの席でなんか揉めてて、スマホ見たのは悪かったけど血が出てるぞ警察に訴えるぞ、とか言ってたのが、この映画らしいのどかさを醸し出す錦糸町でした。
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