川村元気は嫌いなのだが、正直今作の脚本はとても良かった。あまり期待せずに行ったのだが、これは認めざるを得ない完成度の高さだったと思う。
実質“のび太の恐竜”の2回目のリメイクと言っていい内容だった今作。アレンジを加えた部分がとても面白いように作用した。
まず、恐竜をオリジナルのピースケが首長竜だったのに対し、新種の翼竜の双子・キューとミューに変更。
キューをドジッ子にしてのび太とシンクロさせるキャラクターに配置した。
どんなに練習をしても、翼竜なのに飛べないキューと逆上がりが出来ないのび太。ナルホド…。上手いな。
公園でピースケを飼っていたのに対し、ひみつ道具の箱庭キットでキューとミューを飼っていた今作。
恐竜を元の世界に戻す為に白亜紀に行く所を最初間違えてジュラ紀にタイムスリップ。そこで箱庭を落としてしまう。
オリジナルは恐竜ハンターに狙われるという展開だが、今作では謎の組織らしき者らに追跡をされる。
ここから、タイムパラドックスを逆手に取った脚本の秀逸さが展開される。
オリジナルでは幕引きを担ったタイムパトロールをこういう風に使うかねぇ〜!やるなぁ。
序盤から雀やカラス等の鳥のいるシーンが印象的だったか、こういう前フリを見事なまでに回収してくれた。