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映画ドラえもん のび太の新恐竜のarchのレビュー・感想・評価

3.6
本当に素晴らしかった…

いつぶりか思い出せない劇場でのドラえもん、その時点で郷愁で胸いっぱいだし、でも同時にうるさすぎるちびっ子達に、もうここは自分の来る場所じゃないんだなとも痛感し、複雑な心境の中鑑賞しました。

恐竜と交流を題材に広義の意味での"進化"、個ににとっての"成長"というテーマを簡潔に描いていた。侮りがたいのは伏線の綿密さとブレないテーマ設定。この辺は普通の邦画ですら危ういのにドラえもんだからって手を抜かずにこなしている。

個人的に驚いたのは"恐竜を救う"という目的と歴史を改変しないこと、このパラドックスを見事に解決して、そこにミューとのび太の成長の結果がしっかり噛み合っているのが本当に良い。
流石川村元気脚本です。

ピー助の登場は世代にダイレクトな自分達向けの目頭熱くなる展開でしたが、劇場のちびっ子もピー助!と叫んでいたので今の子供にもそれなりの認知度なのでしょう。
ただ出すだけでなく、「またどこかで会おう!」というミューへの台詞の後に姿を挟む巧みさ。また会えた結果がそこにあるのだから、と確かな希望になっている。たまらなく好きなシーンで思わず泣いてしまった。

劇場に観ることはちょっと出来ないなと思いつつもしっかりと追っていきたい思わされた一作でした。
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