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グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダルのchefcurryのレビュー・感想・評価

4.0
"アドテク"の名の下に世界中のテックカンパニーがユーザーの行動データを商売道具として拵えている昨今、ブレクジットやドナルドトランプ当選という強国における国家規模の意思決定にまで大きな影響を及ぼした前例を築いてしまったことで世間を賑わせたケンブリッジアナリティカ(CA)を巡るドキュメンタリー。

EUではGDPRが発効されたり、個人のデータを守るルール作りが試行錯誤されているところですが、リテラシーが低いままのうのうと暮らしていると日本もいつの間にかCAのような巨悪に飲み込まれるかもしれない、それはもう既に始まってるのかも。政治レベルではネット右翼"ネトウヨ"の概念が普及していたり下地は充分育ってしまっていると感じる。

政治以外の面でもDeNAのキュレーションメディア不祥事、NHKクロ現で名指しで取り上げられたSpeeeによるフェイク広告問題、リクルートによる企業への内定辞退学生予測データの無断提供等、ヤンチャ面をしたIT/広告/ベンチャー企業が "世界をより良くする!" なんて大味な言葉を掲げ、無邪気に笑いながら不特定多数に不利益を被らせるプロダクトや仕組みを作ってしまった不祥事が既に散見される。「うっかりさんだね」では済まない規模の事件がこれから起きることも容易に想像できるので、市民・消費者は空気のように当たり前にそこにあるインターネットと緊張感を持って対峙する必要がある。
amazon prime等で観れるスノーデン関連のドキュや映画も併せて観ると、価値があるか否かは置いといて自分のデータは紐付けされ筒抜けということの不気味さを認識できるのでお勧めです。

トランプ陣営との契約締結の中心にいた元CA勤務の告発者ブリタニー・カイザーがカメラに映ってる限り、全編に渡ってヘラヘラしてるのでイライラさせられるかも。
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