Jun

ゾンビ津波のJunのレビュー・感想・評価

ゾンビ津波(2019年製作の映画)
3.6
タイトルから感じられる地雷臭も何のその、観てみると思いのほか堅実な作りで驚かされる。それもそのはず、サメ映画の人気を牽引したと言っていい『シャークネード』シリーズの監督アンソニー・C・フェランテと主演アイアン・ジーリングが再びタッグを組んだ作品がこの『ゾンビ津波』である。

監督「『シャークネード』の完結編を撮り終えてから時間も経ったし、そろそろ同窓会でも開く?」
主演「賛成だ、実は素晴らしいアイディアが浮かんでさ。サメ×台風がヒットしたから次はゾンビ×津波なんてどうかな」
監督「いいね、ヒジョーにゴキゲンだ!!」

こんな会話がなされたかは知らないが(多分してない)、同系列で扱われるべき作品であることには異論の余地がない。『シャークネード』ファンならアイアン・ジーリング演じるハンターの頼もしさに歓喜の声を上げよう。

ゾンビ映画としてのツボは押さえつつ、主人公以外に誰が生き残るか予測できないなど終盤まで意外性に富んだ筋立ても悪くない。圧倒的なクズがしばらく生き残ったり、個性的なキャラクターが一瞬の光る見せ場の後にあっさり退場したり。ゾンビ共を一掃していく描写もふんだんに盛り込まれており爽快だ。イタリア残酷映画の帝王、ルチオ・フルチ御大へのリスペクトも見受けられる。
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