このレビューはネタバレを含みます
ただのいじめを題材にした映画ではいない。
このふたりの少年の色恋ドラマでもない。
いろんなものが絡まり合って、因果関係が生まれ、この映画、「少年の君」になっている。
演者の演技とそれを引き出す製作陣。
すばらしい…
セリフのないシーンでどれだけ語りかけられたか…
ライティングも作り込んでいて映像的にも美しい。
ものすごくしんどいし、つらくて、むごい話ですが
あの事件から映画が始まって、そこからいろんな立場の人が出てくるが、観る全員が誰かしらの立場に立ったことがあるはず。
いじめという問題がいかに複雑で、いじめる側といじめられる側だけではないという事を巧みにかつ簡潔に描いてくれたと思う。そこに主人公2人の少年性が加わりこの映画が成立する。
ただ、心に残る仕方なさは拭えない…
そういう意味で言うとファンタジー性も少しあるかもしれない。
“因为他们还是少年。”を
「彼らは若いから」と訳されてたのは少し残念…タイトルに直結する大事なセリフかなと思う。
終盤のサイレント面会はほんとに涙腺崩壊。