受験をひかえた優等生の主人公は、いじめられていた同級生の自殺をきっかけに、新たな標的にされてしまう。
彼女が集団暴行を受けていた不良少年を助けたことから2人の距離が近づいてくる。
孤独な2人が行く先の未来はどのようなものだろうか。
「大人になるための勉強はしたことがない」と少女は言う。
地位や能力に関わらず、否応なしになってしまうのが大人である。
少年と少女は、大人になることが、ここではないどこかへ行けることだと信じるしかない。
一発勝負で人生の大枠が決まってしまう過酷な受験戦争は、栄光を掴むチャンスを与える一方で、多感な子どもたちの日常に大きな歪みを生んでいる。