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少年の君のharu3uのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
4.0
貧困から這い上がるには進学しかない中国の苛烈な受験戦争と、いじめの問題。
理不尽かつ執拗な悪意にボロボロに傷ついても“世界を守りたい”と言える少女の強さと、少年の献身に号泣必至。

自己犠牲は美しいけれど、結局、捧げられる方が罪悪感で潰されちゃうよね。
誰かの献身&犠牲の上で平気で幸せになれるヒロインだったら、そもそも物語は始まらないし。
結末はこれしかなかったと思う。

それでも、社会の底辺から一緒に抜け出す未来を勝ち取ろうと足掻く二人が、どうか救われますようにとずっと祈っていました。


“君は世界を守れ、俺は君を守る”
ふたりのあの距離感が切ない。
少女の登下校を見守りながら、付かず離れず背後を歩く不良少年が騎士だよ。
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