ゆず塩

少年の君のゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

少年の君(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【テーマ:社会の歪み】
題材がイジメなんだけど、その原因は何かと考えたらきっと受験戦争とか貧富の格差とか、そうした社会の歪みなのではなかろうか……ってなことを言いたいのかなって感じた。

【好きな点】
・イジメの悪質さとか、嫌なことがドンドン起こる感じが見ていてハラハラした。中国怖い。監視社会になって良かったじゃん……って思ってしまった。

・バレーボールやってるところで、主人公が怒る所は良かったな。ちょっとすっきり。

・いじめっ子のウェイが最低でとても良かった。ニェンに悪事をバラされたく無いのに、そのあと反省の色を見せずペラペラ言わなくていいこと言ってて人の気持ちが何にも分からないヒトなんだなーって思えてよかった。ただ、ニェンに必死に口止めを頼んでいる様子は何か違和感。ニェンに対して下手に出なさそうなイメージなんだよなぁ。

【個人的な作品の印象】
<好きじゃない点>
・主人公たちが涙を流すシーンが結構多くて。どこが一番の泣きどころなのかわからなかったかな。観客を泣かせる気が無いのかもしれないが。2人とも未成年だから泣くのかな。全体的に静かな演技なのに、泣きの演技は頻繁に入っているように感じてちょっとくどかった。辛いシーンが多いから仕方ないのだけど……意味の違う涙が色々とあって、涙の意味がわかりづらかったかな。
・笑えるシーンがほぼほぼ無い。小気味いいかけ合いとかもほぼ無くて。もうちょっと、ブラックジョークとか明るいキャラ位はあってほしかったかな。シリアスだけなのはもちろん凄いんだけど。ちょっと、疲れる。

<その他>
・ラストのウェイを殺した後について……どっちが罪を被ることを期待したらいいのか、よくわからなかったかな。結果的には、ニェンが罪を認めたけど。その前の事情聴取シーンでは逆だったし。見てて「ニェンに自首してほしい」とも「ニェンが逃げ切って欲しい」とも思えなくて。その状態で見るのが、ちょっと退屈に感じたかな。完全に好みだけど……。
迷っているとか煮え切らない状態で「主人公が選択を行う」のを見て、『本当にそれでいいの?』って思っちゃったって感じか? 絶対に刑事にバレないように2人ともバラバラになって逃げる展開ならば、まだ2人とも助かる道だからいいんだけど。今回は、すでに警察に疑われていてどちらかが必ず捕まる状態で。あれ……究極の選択になってるからこれでいいのか?
でもそれならば、取り調べの結果ですべて決着がついてほしかったかな。ニェンが釈放された後、刑事に騙されるのは、ちょっとズルい様な。
ニェンの決断が、廃屋の中・取調室・釈放後、でコロコロ変わるのがあまり好きくない、って感じです。それを、迷いと表現するならば、迷っていると気持ちがのりづらいと感じた。

・主人公の2人の距離感がわからなかったかな。結構すんなり仲良くなったりしている印象で。この2人がどうなるのか、という興味は薄かったかも。
ゆず塩

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