花俟良王

男女残酷物語/サソリ決戦の花俟良王のレビュー・感想・評価

男女残酷物語/サソリ決戦(1969年製作の映画)
4.0
まだまだ私たちの知らない変な映画は存在するのだなあとしみじみ思う。ミッドセンチュリーでモンドな魅力は、いかしたサントラ経由で90年代の渋谷系で紹介されていてもおかしくない、というかされてるべき(されてたらすみません)。

個人的にはポップな江戸川乱歩な印象が強い。変態、サドマゾ、女性軽視と勝手な崇拝、そしてあのオブジェのビジュアル的にもイタリア留学経験もある増村保造の『盲獣』を思い出した。共に1969年作品、趣は違えど時代の空気は同じだ。とはいえ下半身事情を屁理屈で覆う男の哀れさはいつの時代も変わらない。

万人にオススメできるエンタメ作品ではないけれど、目で観て、耳で聴く、という映画表現が大いに偏り、尖って、それが色褪せていないのがいい。
花俟良王

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