ほのか

ザ・プロムのほのかのレビュー・感想・評価

ザ・プロム(2020年製作の映画)
4.0
言葉に力が宿る時。


100%下心だった。打算でしかなかった行動に気持ちがのっていく。ミュージカルなのですごく綺麗な展開やねんけど、わかりやすくていいともいう。
善い行いというのは、起こるものではなく、起こさせるものだと思う。この人のために何か出来ることはないだろうかと思わせるだけのブレないただひとつの強い気持ちがあるから、何か自分にもできないかと手を差し伸べたくなるのだと思う。善い行いは自分が主体にはならない。すごく当たり前のことやし、この映画の始まりやと因果応報が待ってるのがみえてしまうので、この展開あんまりみないんやと思うんやけど、すごく当たり前のことを大きく言って答えをドン!と出すミュージカルやから出来た、って感じがする。


曲が良すぎ!!!!ミュージカル映画、基本的に1曲目がいいと骨抜きにされます。

メリル・ストリープとニコール・キッドマンの演技がほんまにほんまにほんまに良すぎて、もうなんかそれだけでなんでもよくなってしまいそうになる…!!可愛い面白いかっこいい強いなどの全ての表現が完璧。この世の至宝。映画という娯楽、こうやって2時間最高を浴び続けられるという幸福があるからやめらんねえんだ!!!

エマ、背泳ぎ下手くそすぎてなんでこれで沈まんのか不思議。口角だけがずっと上がってて、それがだんだん悲しくなってくる…。歌うますぎた!
ただ、エマがカミングアウトをして凄く苦労したのに、アリッサにカミングアウトを強いるのはあかんでしょ。約束したやん!じゃないねん。カミングアウトをしてほしいはエマの感情やけど、するのはアリッサ。した後、エマは逃げようと思ったら逃げられるけど、アリッサは逃げられない。今だって写真を飾るほどに家族に引きずる気持ちがあるエマが尻込みをするアリッサの気持ちをなんでわかってあげられへんかったんやろうね。そこがちょっとひっかかっちゃった。